一般社団法人甲州青年会議所 2021年度

第48代理事長 守屋 旭

【はじめに】

私は、丹波山村で生まれ育ち、高等学校と専門学校は村外で下宿生活をしながら学業に励みました。その後甲州市で働きながら、仕事を通じて(一社)甲州青年会議所に出会い、2009年に入会することとなりました。現在に至るまでの12年間、甲州市と丹波山村がともに発展するための力になりたいという一心で活動してきました。

(一社)甲州青年会議所に入会すると、これまでの生活では得られなかった多くの仲間との出会いがあり、積極的に交流する中では友情や信頼関係が生まれ、ともに地域への貢献を行うことで奉仕の精神が身に付き、青年会議所の運動に対して非常に大きな魅力を感じることができました。しかしながらその中には、楽しさだけではなく苦しさや不安もあり、毎年自分自身の前には不安という精神的な壁が立ちはだかりました。私はこの修練に立ち向かうため、これまでに築き上げた信頼できる多くの仲間と互いに支え合い、時には反発しながらも、ともに切磋琢磨しながらその壁を乗り越えようとしてきました。青年会議所において様々な役職を経験する中で、やり遂げたときの達成感には格別の喜びがありました。私はこの喜びを大きな心の支えにし、自分の前に現れる壁は必ず乗り越えられるという信念をもって、青年会議所活動に邁進してきました。いつしかこの思いは挑戦をする行動に変わり、仲間の後押しも受けながら、丹波山村村議会議員となり新たな人生を歩みだしました。現在は、甲州市と丹波山村の架け橋として、甲州市内で働きつつ、日々精進しています。一人でできることは限られますが、青年会議所では多くの仲間とともに活動をすることで、日常では得られない様々な経験ができる機会を得ることができます。私は、これまでその多くの機会を得たことにより、自身の行動や考え方の変化にもつながり、大きな自己成長につながっていることを実感しています。

現在、新型コロナウイルス感染症は、世界規模のパンデミックを起こし、社会的、経済的、そして政治的危機を巻き起こしています。山梨県においても、今現在、感染者が増え続けており、今もなお私たちの生活に甚大な影響を与えています。この新型コロナウイルス感染症は、人々が生活する上で必要不可欠な移動することや集まることにより、感染のリスクが増えるため、今まで当たり前だと思われてきた社会生活や行動に変化が起きています。また、日本については気象災害や切迫する巨大地震への対応が求められる中で、人口の減少や高齢化の流れが着実に進行し、財政にも課題を抱え、力強い経済成長を実現できず、地域社会が疲弊する悪循環に陥っています。私たちは、これらの変化を敏感に察知し、同じ志を持った多くの仲間と率先し、行動していくことが必要です。そしてこの危機をピンチと捉えずに、大きなチャンスと捉えて、青年会議所運動の目的や意義を見出し、前に進んでいく必要があります。

この先が見えない時代を切り抜けるためには、誰かに頼るのではなく自ら運動を起こし、他の人を突き動かしながら歩みを進めていかなければなりません。集まった仲間や、課題を共有するパートナーとの信頼関係を築き上げながら行動することで、新たに目の前に立ちはだかる壁を乗り越えていくことができると確信しています。

【子供たちへの思い】

近年、インターネットの進歩や、情報通信網の発達により私たちの社会には大きな変化がもたらされています。これから先の時代には AI や 5G といった技術が導入されていき、生活や仕事にも急激な多様化をもたらしていくことが予想されます。また、子供たちは、少子化や核家族化の影響により、人と関わる機会が減少しています。私は人と人とのつながりが大切であると感じています。子供たちが、これからの時代を生き抜いていくためにも、人との関わり方を学び、人と人とがバーチャルで関わりのある世界と、人と人とがリアルで関わりのある世界のバランスをとっていく必要があると考えます。このような中では、コミュニケーション能力の向上は必要不可欠であり、相手のしぐさや表情といった情報から、相手の思いや考えを読み解く力が重要となります。将来を担う子供の未来のためにも、今の時代にあった体験型の機会を提供し、変化の激しい社会に対応でき、相手の立場にたった行動ができる大人に成長してもらいたいと考えます。

また、近年の日本では多くの自然災害が発生しており、地震大国日本ともいわれ、いつ大きな地震が起きてもおかしくない状況におかれています。甲州市においては、2014年豪雪の際に、過去に例のないほどの被害を受けたことも記憶に新しいものです。また、2019年には台風19号の通過とともに多くの河川が氾濫し、災害が身近に迫ってくる恐怖を感じ、災害に備えていく重要性を実感しました。子供たちには防災についての知識とイメージをもたせる機会をつくるとともに、災害時に自ら考えて判断し、行動がとれる大人への成長を後押ししていきます。

【まちづくりへの思い】

青年会議所は「明るい豊かな社会の実現」を目指し、それぞれの地域での課題を見つめ、解決していくための運動を推進している組織です。この大きな目標を達成させるためには、まずは私たち青年会議所の会員一人ひとりが、地域の一員であることを自覚し、積極的に地域づくりに取り組んでいく必要があります。また、地域をさらに活性化させるためには、会員だけでなく市民も積極的に地域づくりに参画できるような事業を展開していかなければならないと考えます。

世界と日本には食文化による違いがあり、それが壁になっていることに着目し、2020年度に3か年計画で立ち上げた「ベジ食べるKOSHU」事業が、今年で2年目を迎えます。ベジタリアンやヴィーガンの方だけではなく、甲州市に訪れる観光客に対しても食の選択肢を広げることで、甲州市に観光客が増えると考えます。観光客が増え、町がにぎわうことで甲州市に魅力があるということを再確認し、愛着が深まる未来を描きます。

さらに来年には、山梨ブロック大会の主管を(一社)甲州青年会議所が担う予定となっています。ブロック大会は山梨ブロック協議会として最大の発信の場であり、地域の魅力を大きくアピールできる事業です。ブロック大会の主管としての責任を自覚し、地域の魅力を発信していくためにも、会員が一丸となって学び成長していきます。

【仲間の成長への思い】

2020年には、新型コロナウイルス感染症の影響により、私たち青年会議所の活動も一時的に自粛を余儀なくされることとなりました。今後は、社会環境の与える影響や、会員の職種に関わらずに、自己の成長を目指すためにも、青年会議所活動のしやすい環境を考えていく必要があります。

会員の方は、青年会議所の運動の中で学び、身に着けた能力を日常生活や仕事に活かし、地域のリーダーとして自らの資質を高めていくべきだと考えています。また、例会や事業を通じて、会員が様々な壁を乗り越えたときに、青年会議所の運動の質が向上し、その価値を感じることができると思います。そして、質の高い運動をすることが会員同士の刺激につながり、切磋琢磨しあえる環境をつくることができると考えます。

また、2019年に(一社)大和青年会議所と友好JC締結が行われ、2020年から本格的に交流が行われる運びになりました。2021年は(一社)大和青年会議所の会員と事業を進めていきたいと考えております。LOMごとに、組織の在り方や考え方の違いはあると思いますが、ともに運動をしていく中で双方の思いを感じ、共有することで会員同士がつながり、互いに成長ができると考えます。そのような学びや交流の機会を設けて、より多くの仲間と切磋琢磨できるようにしていきます。

【JCファンづくりへの思い】

現在の社会では、リアルタイムに発信できるYouTubeやインスタグラム等SNSに関心が集まっています。SNS上ではよく「フォロワー」という言葉を目にします。「フォロワー」とはその投稿に興味をもっていただいた方がフォローし、最新の情報を得ることを目的にしています。それは青年会議所でも同じことがいえます。(一社)甲州青年会議所としても広報活動により力を入れながら、フォロワーを増やしていく必要があると考えます。そのためには青年会議所の運動だけではなく、甲州市の魅力も一緒に発信していくなど、様々な手法を活用することで、甲州市民だけではなく、大勢の方にフォロワーになってもらえると考えます。フォロワーから積極的についてきてくれるような、JCファンを増やしていくための広報活動に力を入れていきます。

また、(一社)甲州青年会議所は、SDGsの推進にも取り組んでおります。SDGsの好取組例や日常の中のSDGsなどを発信し、一人ひとりがSDGsを身近なところから感じていただけるように表現していきます。

【仲間づくりへの思い】

私たち(一社)甲州青年会議所は、住んでいる地域を愛し、関心をもっている人が集まっています。私自身がこの12年間の青年会議所活動の中で共感が持てる言葉として、「早く行きたいのなら一人で行きなさい。遠くまで行きたいのなら皆で行きなさい。」という言葉があります。これは、「一人の力では成し得ることができないが、同じ目的を共有している仲間だからこそ味わえる。」というアフリカのことわざです。

人には意見、思い、育った環境、価値観などの違いという壁もあります。皆で動くと思い通りにならず、思いを共有するのに時間がかかることもあります。しかし、地域の発展に貢献したいという同じ目的を共有する仲間が多いほど、地域の発展につなげていくことができると考えます。そのためには自己成長や、ビジネスの可能性にも共感してくれる仲間との大切な出会いを探していきたいと考えています。甲州市の問題解決に向けて一緒に取り組み、ともに成長しあう仲間づくりに力を注いでいきます。

【結びに】

地域の発展に貢献したいという思いや、自分自身の成長につなげたいという思いは、地域発展の原動力であり、この混沌に渦巻く社会に希望を導く一筋の光です。青年会議所の運動はまさにその光を表すものであり、一人では経験できない学びや、自己成長をする機会を得ることができます。その過程の中で、不安の壁や精神的な壁といった、大小様々な壁が現れると思います。しかしながらそのようなときにも、同じ志をもった仲間の言葉や心づかい、協力してくれる家族や仕事仲間に感謝の心を忘れずに活動していくことが、何より大切であると考えています。そして、「明るい豊かな社会の実現」という思いをより多くの方と共有できるよう、一人ひとりが壁と向き合い、仲間とともに乗り越え、前に進んでいけるように活動していきましょう。

■ 2021 年度 slogan ■
ブレイクスルー
~壁を乗り越えよう~
【基本方針】
□子供の未来のために
□愛着のある甲州まちづくり
□学んだことを自分のものに
□JCファンづくり
□13名の会員拡大